神は乗り越えられる試練しか与えない

日曜劇場「JIN―仁」の完結編が終わってしまいました。その中で、「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉が何度も出てきました。原作にない言葉を脚本の森下佳子さんが加えたようです。多くの人は、この言葉を「あきらめなければ必ず目的を達成できる」という意味で解釈したことでしょう。神が与える試練というのは、「人生を送っていく上でぶつかる苦難によって精神的に鍛えること」ですから、その苦難を拒絶しないで、向き合って受け容れなさいということです。試練を乗り越えるとは、その苦難を受け容れることなのです。イギリスの歴史家アーノルド・J・トインビー(1889年~1975年)は、「人間誰しも才能を持っている、その才能が花開くかどうかは、試練を乗り越えた数によって決まる」という名言を遺しています。例えば、米大リーグに所属する松坂大輔さんは、腕の手術を受けることが決まりました。ゴルフ界の石川遼さんは、2回連続予選落ちしました。これらも試練です。その試練を乗り越えるたびに人間の器が大きくなっていくのです。トインビーは、試練を乗り越えることによって才能が磨かれ、鋭く育まれると述べています。自分の才能を伸ばすために、試練が定期的にやってくるのです。それを人生のチャンスと考えれば、乗り越えられます。