Y.Hさんからのおたより

 インターネットでの出来事

 1泊入院した病院のホームページに、見覚えある非常勤医師の写真があった。名前をみて、思わず声を上げた。高校生の時、お世話になった医師だった。

 平成元年5月5日、私は先輩が運転する中型二輪の後ろに乗り、交通事故に遭った。救急車で病院に搬送され命の危機に直面、骨折と激しい損傷を受けた右脚は切断寸前の状態だった。この二輪事故で不良少女と思われた私は、救急処置にあたった若い医師から厳しい説教をされ、主治医となったこの医師に苦手意識を抱いてしまった。3ヶ月半の入院生活で毎日顔を合わせている内に、次第に緊張が解けて笑顔で話せるようになったが、その頃には退院となった。

 昨年のある座談会のホームページに写っていた先生の笑顔は、退院する時に見た優しい笑顔の先生そのままだった。 時々思い出す事はあったが、今は無性に先生に会いたい。27年の時を経て、インターネットで先生をお見かけするとは思いもよらなかった出来事である。